ひじおりの灯2014

月山の麓で、1200年続く湯治場、大蔵村肘折温泉。カルデラ盆地の底にある小さな集落に約500人が暮し、先祖代々からの霊湯を守っている。「ひじおりの灯」は、東北芸術工科大学と肘折地区が、8年前から続けている灯籠プロジェクト。村の人々の歓待に応えて学生たちが描く灯籠絵は、毎夏、新しく張り替えられ、夜の湯治場をほのかに照らす。夏の肘折温泉での点灯後、山形ビエンナーレ会場にすべての灯籠を移設。(東北芸術工科大学本館1階エントランス)

 

ひじおりの灯/湯治場プロジェクト
2007年に開湯1200年を迎えた肘折温泉(大蔵村肘折地区)と東北芸術工科大学が協力して開催し続けているアートプロジェクト(2014年で第8回目を迎える)。春の温泉街で学生たちが滞在制作をおこない、半年をかけて34個の灯籠絵を制作し、夏の温泉街で展示する。古くから守られてきた、肘折の自然や文化、湯とともに生きる人々の暮らしから、さまざまな「肘折物語」が八角形の灯籠に描かれる。近年では、地元の青年団による屋台、「ひじおり黒」を通じて、夜の温泉街での交流が生まれ、肘折温泉の夏の風物詩となっている。