郷土史家さながらの文献調査やフィールドワークをおこない、各地の祭祀や民話などをモチーフに、重厚かつ壮大な寓話的世界を描く田中望。山形ビエンナーレ2016では、山形市内に残る端山信仰や姥神信仰の痕跡を探り、山と人の関わりを絵巻物や曼荼羅のように描いた新作を発表するとともに、会場の蔵ダイマスでは絵巻の公開制作をおこなう。ダイマスは明治初年に建てられた蔵座敷で、隣接するギャラリー絵遊とともに、建築家の竹内昌義(みかんぐみ/東北芸術工科大学教授)らが設計した。
展示タイトル=山の神の縁日
展示会場=ギャラリー絵遊・蔵ダイマス
公開日・時間=会期中常設(9/5・9/12・9/20休)10:00~18:00
(たなか・のぞみ)画家。1989年宮城県生まれ。2014年、VOCA賞受賞。その土地の民俗や体験から着想した作品を制作する。地域でのアートプロジェクトに多数参加。主な展覧会は、「潮つ路」(2015・横浜美術館アートギャラリー1・Cafe 小倉山/神奈川)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」 (2015・まつだい郷土資料館/新潟)、他。東北芸術工科大学後期博士課程在籍中。