東北芸術工科大学日本画コースの卒業制作として発表した絵画「日本の美術を埋葬する」が話題となり、一躍アートシーンに登場した気鋭の画家久松知子。山形ビエンナーレ2016では、140年前に初代山形県庁舎を建造し、<鬼県令>と人々から畏れられたリーダーシップで、山形の近代化に邁進した初代県令三島通庸を題材にした油絵を、旧県庁舎の文翔館に展示する。三島は山形での土木事業を菊池新学に撮影させ、高橋由一に「山形市街図」(1881-82年)を描かせるなど、美術史にも足跡を残してきた。専門家を抱いてのダイアローグイベントも展示にあわせて実施し、三島が創造し表現しようとした近代山形の姿を、140年後の現在から検証する試みとなる。
展示会場=文翔館2F
公開日・時間=会期中常設(9/5・9/20休館)9:00~16:30
トークイベント①:「三島通庸ナイト」 9/13[火]19:00〜20:30 BOTA theater(山形市七日町2-7-18 BOTA coffee 2F)入場無料
トークイベント②:「山形と美術ナイト」 9/18[日]19:00〜21:00 岡部信幸(山形美術館学芸員)×ナカムラクニオ×久松知子 BOTA theater 参加費 500円
(ひさまつ・ともこ)美術家。1991年三重県生まれ。東北芸術工科大学修士課程日本画領域在籍。近代以降の日本美術史を批評的な視点から捉えた絵画を主に制作している。現在の制作場所は山形県上山市の廃校を活用した共同アトリエ「工房 森の月かげ」。2015年《レペゼン 日本の美術》で第18回岡本太郎現代芸術賞岡本敏子賞受賞。同年《日本の美術を埋葬する》で第7回絹谷幸二賞奨励賞受賞。主な展覧会に「岡本太郎現代芸術賞受賞新作展示」(岡本太郎記念館、2016)「東北画は可能か?—地方之国構想博物館—」(東京都美術館、2015)、「東北画は可能か?—地方之国現代美術展—」(T-Art gallery、2015)ほか。https://tomokohisamatsujp.wordpress.com/