食べたいを諦めきれなかった
〜大豆トラスト運動と豆むすめ〜

開催期間中
9月6日(日)〜
出演=佐藤あい子
撮影録音=菊地翼/吉田芽未
編集=菊地翼
テキスト=中島彩
協力=石井昭一・佐藤恵一・吉野昭男・山形県農林水産部農業技術環境課・山形県有機農業推進協議会
土と人2020
映像作品
収録配信

大粒の豆はやわらかく、ほのかな甘みと風味が口の中に広がる。「大粒納豆 豆むすめ」。老舗「丸亀八百清商店」による石室づくりを伝承し、低温で長期熟成された昔ながらの納豆だ。
栽培期間中に化学合成農薬、化学肥料を使用しないで自社栽培した大豆を100%使用。山に囲まれ雨や雪が多いこの土地ならではのミネラルが豊富な地下水を汲み上げ、掛け流しで浸すことで、大豆の呼吸が活性化する。それもおいしさの秘訣だと、工房責任者の佐藤あい子さんは話す。
始まりは大豆畑のトラスト運動だった。1990年代、遺伝子組み換え大豆の輸入に反対するも、あえなく政府は許可をおろす。「私たちはいつでも負け戦。小さなことでもいい。自分たちが良いと信じられることをしよう」そう心に誓い、佐藤さんは仲間たちと一緒に参加者を募り、大豆畑をつくった。有機栽培という困難な道でも、環境への負荷を減らし、循環型農業を守りたい。自分たちの理想を追求する実験でもあった。収穫した大豆は味噌や醤油に加工し、次第に納豆づくりへと続いていく。
食べたいものは自分でつくるしかなかった。諦められなかった。山形の大地が生み出す豊かな水と土、そして佐藤さんや仲間たちの信念と愛情。「豆むすめ」にはそんな奇跡の粒が詰まっている。

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