写真:三浦晴子(まちのおくゆき ─からだのひろがりダンスワークショップの様子)
写真:三浦晴子(まちのおくゆき ─からだのひろがりダンスワークショップの様子)

ダンスパフォーマンス
「さわる/ふれる 〜ここにいない人と踊るためのエチュード〜」

9月10日(土)
9月11日(日)
13:00-14:00(両日とも)
16:00-17:00(9/10のみ)
[15分前より開場]
出演=砂連尾理(振付家/ダンサー)、加藤由美(舞踊家/舞踊振付家)、兼子京子(ダンサー:心体表現)、菊地将晃(ダンサー)、さえ(分身ロボットOriHimeパイロット)、「まちのおくゆき ─からだのひろがりダンスワークショップ」市民参加者、ほか
映像記録・展示=福原悠介(映像作家)
映像記録補助=中島友彦、片桐賢久
展示グラフィック=吉田勝信(デザイナー)
制作・コーディネート=武田和恵(福祉とアートのコーディネーター)、岩中可南子(アートコーディネーター/編集者)、髙橋幸介(ダンス制作)
制作補助=大泉有理紗
CQ1
2階 2-B・2-K・2-L、中庭、ほか
展示 ダンスパフォーマンス

このダンスパフォーマンスの上演に先立ち、2022年6月〜8月にかけて、あらゆる市民の方々とのダンスワークショップ、山形県内各地の福祉事業所への訪問やオンラインでのアウトリーチ型ワークショップを重ねてきました。ワークショップのテーマの一つは、それぞれの存在のありかた、一様ではない多様な人たちとの関わり合いかたを身体の表現で伝えること。もう一つは、ここにいない人やここにないものを想像し身体で表現するという「メディアとしての身体」の可能性です。
さまざまな理由により対面でのコミュニケーションが難しい社会の中で、身体を使い感じることや表現することを軸に、人と人が知り合い関係していくこと、またその中で生じる困難さも受け入れ乗り越えていくことを通して、共に影響し合うクリエイションを実践しました。その成果発表として、ダンスパフォーマンス「さわる/ふれる 〜ここにいない人と踊るためのエチュード〜」を上演します。この実践が地域社会においての「おくゆき」(=多様性)を想像することにつながることを願っています。

まちのおくゆき
多様性の受容・調和などをテーマに、障害のある人や、さまざまな理由で生きづらさを抱える人などを含む、あらゆる市民がダンスパフォーマンスをはじめとした様々な協働を展開。多様性を受容しながら一人ひとりの「ゆたかさ」「しあわせ」に向き合う活動である「福祉」の現場とアートをつなぎ、異なる身体や感覚を持つ人々同士が他者について想像する活動を重ねていくプロジェクトを進めます。(やまがたアートサポートセンターら・ら・らとの共同企画)

このダンスパフォーマンスの上演に先立ち、2022年6月〜8月にかけて、あらゆる市民の方々とのダンスワークショップ、山形県内各地の福祉事業所への訪問やオンラインでのアウトリーチ型ワークショップを重ねてきました。ワークショップのテーマの一つは、それぞれの存在のありかた、一様ではない多様な人たちとの関わり合いかたを身体の表現で伝えること。もう一つは、ここにいない人やここにないものを想像し身体で表現するという「メディアとしての身体」の可能性です。
さまざまな理由により対面でのコミュニケーションが難しい社会の中で、身体を使い感じることや表現することを軸に、人と人が知り合い関係していくこと、またその中で生じる困難さも受け入れ乗り越えていくことを通して、共に影響し合うクリエイションを実践しました。その成果発表として、ダンスパフォーマンス「さわる/ふれる 〜ここにいない人と踊るためのエチュード〜」を上演します。この実践が地域社会においての「おくゆき」(=多様性)を想像することにつながることを願っています。

参加方法
無料
定員
各回30名程度
募集は終了いたしました
  • 砂連尾理(Osamu Jareo)
    振付家/ダンサー

    1991年寺田みさことダンスユニットを結成。2002年「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2002」にて「次代を担う振付家賞」(グランプリ)、「オーディエンス賞」をW受賞。2004年京都市芸術文化特別奨励者。2008年度文化庁・在外研修員として、ドイツ・ベルリンに1年滞在。近年はソロ活動を中心に、ドイツの障がい者劇団ティクバとの「Thikwa+Junkan Project」(ドラマトゥルク・中島奈那子)、京都・舞鶴の高齢者との「とつとつダンス」「とつとつダンス part.2 ─愛のレッスン」、宮城・閖上の避難所生活者への取材が契機となった「猿とモルターレ」、病や障害などを〈生きる過程にある変容〉と捉え、対話を通してダンスへと変換する「変身 ─ええ、私です。又あなたです。」の舞台作品、また濱口竜介監督「不気味なものの肌に触れる」、山城知佳子監督「リフレーミング」、石田智哉監督「へんしんっ!」等、映画作品への振付・出演がある。著書に『老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉 ─ダンスのような、介護のような─』(晶文社、2016年)。立教大学 現代心理学部・映像身体学科 特任教授。
    webサイト:https://www.jareo-osamu.com/

  • 加藤由美(Yumi Kato)
    舞踊家/舞踊振付家

    ダンススペース主宰(1998年〜⼭形市)、東北芸術⼯科⼤学⾮常勤講師(⾝体表現/ダンス、1998年〜)、その他施設や教育機関のダンス・⾝体表現の講師をつとめる。9歳から18歳まで吉川洋⼦氏に師事しクラッシックバレエを学ぶ。⼤学卒業後は、ジャズダンスを学びにニューヨーク、⾝体表現を学びにロンドンへと、短期・⻑期のダンス留学を繰り返しながらダンスはダンス以外のことから学ぶということを知る。近年は、⼼とからだのつながりを表出する作品を創作。また⼟地のエネルギーをいただいて踊る『即興的場踊り』や、踊り⼿の在り⽅を作品にするなどの、コンテンポラリーダンス作品の創作・発表を⾏なっている。これまでの主な活動として、国⺠⽂化祭やまがた2003「⽔の踊りMIZU」総合開会式振付出演(演出 井上ひさし)。2006,2008年アメリカ、2010年ギリシア、2013年フランス、2015年スペインで海外公演を開催。⼭形では、棚⽥で踊る「⼤地の声が聴こえるかい」「ひとひら」「ベートーベンフリーズ」「EDGE」他、開催公演多数。

  • 兼子京子(Kyoko Kaneko)
    ダンサー:心体表現

    NPO法人みやぎダンス代表の定行俊彰氏に、心と体の表現、インクルーシブなダンスの理念について学ぶ。その後、みやぎダンスの作品に出演。東京、大阪、福岡、ロンドンでの公演に参加。またワークショップ等で指導を始める。2005年4月、インクルーシブダンスの発祥の地であるロンドンで、ウォルフガング氏に学ぶ。まだイギリスのグループと一緒に作品作りに参加する。2006年山形心体表現の会を立ち上げ、ワークショップをはじめ各種イベントへの参加や福祉事業所にて心体表現のワークショップを行っている。2011年山形県内では初となるインクルーシブダンス公演「Sou ~新しい瞬間を刻んで」を上演。2017年には「その先の向こうへ」を演出、みやぎダンスと2部構成の公演を行う(2018年仙台市での公演)。現在も、NPO法人みやぎダンス・La・シヴァ(山形心体表現の会)で活動している。

  • 菊地将晃(Masaaki Kikuchi)
    ダンサー

    1986年生まれ。山形県鶴岡市在住。17歳からストリートダンスを始める。大学進学を機に山形県へ移住。鶴岡市内のダンススタジオなどでインストラクターをする傍ら、アーティストのバックダンサー、振付、養護学校や児童館でダンス講師を務める。2012年“ダンスでつながっている最高の家族”という意味をチーム名に込め、インクルーシブダンスファミリ「Kickin’ Dance Fam」(キッキンダンスファム)を結成。鶴岡市を中心に県内外でのイベントでダンスパフォーマンスを行っている。2021年「Dance! Dance! TACT!」オリジナルダンス公演「テクテクタクト」(振付・演出/中村蓉)に出演。2020年度「輝く!やまがた若者大賞」受賞。2021年度「鶴岡市青少年育成会模範団体賞」受賞。

  • 「まちのおくゆき ─からだのひろがりダンスワークショップ」市民参加者

    「まちのおくゆき ─からだのひろがりダンスワークショップ」(文化庁補助事業:カルチュラル・プラットフォーム・ビルダー育成講座)は、砂連尾理(振付家/ダンサー)を講師に迎え、総勢17名の市民参加者とともに2022年6月〜8月にかけて山形市内で複数回にわたって様々なワークを実施。その成果発表として、9月の山形ビエンナーレ2022にてダンスパフォーマンス「さわる/ふれる 〜ここにいない人と踊るためのエチュード〜」を上演予定。
    市民参加者:秋山禄宣、荒井佑梨江、伊藤美和、井上陽介、大類美紀、亀井道敬、菊池萌々、黒木七海、今野僚大、佐藤有華、柴田峻輔、杉下日陽里、瀬尾明代、田中正紘、成澤一裕、ニノ戸新太、原田香織(50音順)

  • さえ(Sae)
    分身ロボットOriHimeパイロット

    埼玉県出身。分身ロボットOriHimeパイロット。身体表現性障害を抱え、外的な光や音のような刺激や精神的なストレスにさらされると吐き気などの症状に見舞われるため、外出ができない時期が10年間以上続いている。2019年頃からOriHimeを介し、カフェや書店、神奈川県庁での仕事に就く。また、以前から読書会に参加したり朗読や読み聞かせをすることが好きで、OriHimeでの活動を通して、朗読劇や演劇にも挑戦。2020年に東京・セルリアンタワーで開催された朗読劇「まんが日本昔ばなし」に参加。2021年には神奈川県の共生共創プロデュースの一環でリーディングシネマ「ちいさなちいさな王様」に王様役で出演。2022年同プロジェクト「星の王子さま」では演出助手にも挑戦した。OriHimeを介したこれらの活動を通じ、文化芸術を楽しむだけでなく制作者サイドにも活動の幅を広げていくことで、同じ境遇の多くの人たちの可能性が広がると感じている。

  • OriHime(オリヒメ)
    分身ロボット

    OriHime(オリヒメ)は、株式会社オリィ研究所が開発した分身ロボットで、AIではなくパイロットと呼ばれる操作者が、スマートフォンやタブレット、PCから遠隔操作しロボットを動かしている。高さ約23cm、重さ約660gという小型ロボットながら、会話はもちろんのこと、手を振る、両手を上げる、頭を抱えるなどのボディランゲージで感情を表現することも可能。パイロットはこのOriHimeを通して人と会うことやテレワークで働くことができる。OriHimeは、病気や身体障害など外出困難な人たちがこの分身ロボットでテレワークし、社会の中での役割を持てるようになることを目的に開発されたものだが、子育てや単身赴任など、距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人たちの「もう一つの身体」としても普及している。

  • 福原悠介(Yusuke Fukuhara)
    映像作家

    1983年仙台市生まれ。民話語りやアートプロジェクトなど地域の文化と、そこに暮らす人々の語りや日常を記録する。おもな監督作に、『家にあるひと』(2019年、東京ドキュメンタリー映画祭2019短編部門奨励賞)、『飯舘村に帰る』(2019年)、『Lots of Birds』(2021年、「立町三部作」)、MV作品に澁谷浩次(yumbo)「My Brother」、皆木大知「上島さん」など。また、小森はるか監督『空に聞く』、小森はるか+瀬尾夏美の『二重のまち/交代地のうたを編む』に撮影・編集などで参加。記録集『セントラル劇場でみた一本の映画』企画・編集。

  • 吉田勝信(Katsunobu Yoshida)
    デザイナー

    1987年、東京都新宿区生まれ。山形県を拠点に採集、デザイン、超特殊印刷を行なっている。名前の「吉」は「土に口」。

  • 武田和恵(Kazue Takeda)
    福祉とアートのコーディネーター

    1977年山形県山形市生まれ。天童市在住。1999年、東北芸術工科大学デザイン工学部情報デザイン学科卒業。学生の頃、奈良県のたんぽぽの家にボランティアに行き、障害のある人のアートに触れ、「障害のある人に関わりたい!」という一心で山形市の福祉施設で働き始める。2012年から、一般財団法人たんぽぽの家、NPO法人エイブル・アート・ジャパンの東日本復興支援プロジェクト東北事務局として障害のある人の仕事づくり、芸術活動支援事業に携わる。その時に中間支援やコーディネートの重要性を実感。2018年から、やまがたアートサポートセンターら・ら・らコーディネーターとして従事。

  • 岩中可南子(Kanako Iwanaka)
    アートコーディネーター/編集者

    1981年東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科美術史専攻修了。2012〜2017年民間企業が運営するコミュニティ・スペース「SHIBAURA HOUSE」の企画職。2015〜2021年アートプロジェクト「TURN」の現場コーディネーターとして、福祉施設とアーティストが協働して表現を生み出すプロジェクトの運営に携わる。2021年〜株式会社マガジンハウスが運営する“福祉をたずねるクリエイティブマガジン”「こここ」編集部メンバー。日常から生まれる表現や、多様な背景をもつ人々やコミュニティとの協働作業を通じた表現活動に関心を持ち、アート関係の企画・コーディネート、パフォーミングアーツの制作、編集などの領域で活動。

まちのおくゆき
多様性の受容・調和などをテーマに、障害のある人や、さまざまな理由で生きづらさを抱える人などを含む、あらゆる市民がダンスパフォーマンスをはじめとした様々な協働を展開。多様性を受容しながら一人ひとりの「ゆたかさ」「しあわせ」に向き合う活動である「福祉」の現場とアートをつなぎ、異なる身体や感覚を持つ人々同士が他者について想像する活動を重ねていくプロジェクトを進めます。(やまがたアートサポートセンターら・ら・らとの共同企画)