開催概要

About

「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」は、東北芸術工科大学が主催し、山形市中心市街地で2年に1回開催する、現代芸術の祝祭です。2回目となる2016年秋は、国の重要文化財「文翔館」をはじめとする歴史的建造物を主な会場とし、9月3日から23日間にわたり、45組のアーティストがアート・音楽・文学・ファッション・料理など多彩なプログラムを展開します。開催テーマは「山は語る」。荒井良二芸術監督のもと、みちの(お)く山形の過去・現在そして未来の姿を、この新しい祭の創造に参加する人々とともに考え、物語っていきます。

ごあいさつ

この芸術祭は、アートやデザインを通じて地域と関わってきた大学の使命です。

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総合プロデューサー 根岸吉太郎東北芸術工科大学学長/映画監督

(ねぎし・きちたろう)1950年 東京都生まれ。東京都在住。早稲田大学第一文学部演劇学科卒業。2009年度、東北芸術工科大学デザイン工学部映像学科長・教授に着任し教鞭をとる。2011年度より学長に就任し現在6年目。映画監督としては、1978年『オリオンの殺意より、情事の方程式』で初監督。1981年『遠雷』では、ブルーリボン賞監督賞、芸術祭選奨新人賞を獲得。2006年には『雪に願うこと』が東京国際映画祭でグランプリ、監督賞をはじめとする史上初の四部門を受賞。その他にも『絆』(1998年)、『透光の樹』(2004年)、『サイドカーに犬』(2007年)など様々なジャンルの作品を手掛ける映画監督として活躍中。映画『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』(2009年)で、モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞受賞。

東北芸術工科大学は、2014年に第1回「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」を開催しました。東日本大震災以降、「美術大学が、アートやデザインが、この社会に役立てることは何か?」を何度も問い直し、東北の地で本学だからこそできると考えたのは、アーティストと子どもたち、学生たち、そして地域の皆さんが一緒になってつくり出す「芸術祭」でした。
その結果、手探りでしたが素晴らしい形で実現することができました。その後も継続した「みちのおくつくるラボ」でも、創造的な活動の波紋が広がりを見せています。大学から地域へ投げかけるだけでなく、参加した皆さんのなかで生まれ育ったものが今度は大学へと投げかけられ、よい循環が生まれています。
今回のテーマは「山は語る」。芸術監督には、引き続き山形出身の絵本作家でアーティストの荒井良二さんをお迎えしました。荒井さんはここ瀧山のふもとで生まれ育ち、山野を駆け回った当時の記憶や足跡が、山中の岩々や道端の石ころにまで刻み込まれています。この土地に染み付いた息遣いが、私たちを「みちのおくの物語」へといざなってくれるのではないかと思います。
「みちの(お)く」にはまだまだ魅力的なものが溢れています。ここに暮らしながら触れることのなかった歴史や文化に、「山形ビエンナーレ」を通じ日常とは異なった光をあてることで、新たな風景を見ることができるかもしれません。市民の皆さんにも、なじみの土地でもう一度旅する楽しさを体感して欲しいのです。
そうした体験を通じて、「次は自分たちが加わるんだ」という気持ちを持っていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。何かクリエイティブな活動を日常に持ち込むという経験をきっかけとして、自分自身のアクションにつながっていく。あるいは、人とつながっていく。そうした文化的、芸術的活動が地域の皆さんに芽生え、この街の創造的活動のひとつとして育ってくれることを願っています。
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総合プロデューサー 根岸吉太郎東北芸術工科大学学長/映画監督

(ねぎし・きちたろう)1950年 東京都生まれ。東京都在住。早稲田大学第一文学部演劇学科卒業。2009年度、東北芸術工科大学デザイン工学部映像学科長・教授に着任し教鞭をとる。2011年度より学長に就任し現在6年目。映画監督としては、1978年『オリオンの殺意より、情事の方程式』で初監督。1981年『遠雷』では、ブルーリボン賞監督賞、芸術祭選奨新人賞を獲得。2006年には『雪に願うこと』が東京国際映画祭でグランプリ、監督賞をはじめとする史上初の四部門を受賞。その他にも『絆』(1998年)、『透光の樹』(2004年)、『サイドカーに犬』(2007年)など様々なジャンルの作品を手掛ける映画監督として活躍中。映画『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』(2009年)で、モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞受賞。

芸術監督メッセージ

テーマは「山は語る」。ぼくらの街や山にある物語や声に耳を澄まして。

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アーティスト/絵本作家

(あらい・りょうじ)1956年山形県生まれ。1990年に処女作『MELODY』を発表以来、数々の絵本、挿画を手掛ける。2005年には児童文学賞の最高峰アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞、日本を代表する絵本作家として国内外で活躍。絵本『あさになったので まどをあけますよ』で2012年に第59回産経児童出版文化賞大賞を受賞。2010年と2012年に郷里の山形市で個展『荒井良二の山形じゃあにぃ』を開催。「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」芸術監督。

こんにちは。再び、荒井良二です。2年前、「みちの(お)く」へのアートの旅の入口をひらいた、第1回「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」。みんなから「〈ゆるさ〉が心地よかった」って感想をたくさんもらいました。山形はぼくの古里だから、とにかく来て楽しんでもらいたいっていう気持ちを軸に「ぼくらは山形・東北をこう感じているよ」と、間口を広くゆるめて表現したつもりです。
アーティストもお客さんも、この祭に気楽に参加したあと、日常にもどった時に、街の景色が違って見えたり、〈昔〉や〈これから〉について思いを巡らしたり… そんな気づきや変化が、この小さな芸術祭をとおして生まれたらいいなぁと思っています。
前回ぼく自身は、たくさんの「門」をつくって文翔館のあちこちに展示しました。みちのおくの入口ですね。そして最終日に、いしいしんじさんと「門をとじて、本をひらく」と題名で、絵と小説の即興制作をしました。だから今回は、ひらかれた〈本〉がキーイメージになっていて、書物にまつわる作品やプロジェクトが、街にたくさん登場します。
ふだん絵本をつくっているぼくとしては、やっぱりそこから「みちのおく/山形」を探っていくっていう方法しかなくって。絵本って、絵と文字だけじゃなくて、語りとか記憶とか、昔からの大事なものが詰まっている〈物語のふるさと〉なんですよね。絵や文字がなくたって、例えば語り部による口承に耳をすます人たちは、それぞれに、その人なりの絵や情景を頭の中で思い描いています。それだって、ぼくは「絵本的な体験」といいたいんです。
第2回山形ビエンナーレの開催テーマは「山は語る」です。本来ならば「山は語らず…」だけど、人やケモノの営みがあれば、そこにはきっと物語や肉声があるはず。山をひらいて、「みちのおく」の門をくぐった先で、はてさて、どんなストーリーが語られるのか。みなさんが主人公になって山形の物語を体験するんですよ。山形ビエンナーレの会場を歩いているうちに「あれ、この空間や体験自体が物語なのかな?」って感じてもらえるようなお祭。そして、その真ん中から子どもたちの声が響いてきたら嬉しいです。どうぞ楽しみに!
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アーティスト/絵本作家

(あらい・りょうじ)1956年山形県生まれ。1990年に処女作『MELODY』を発表以来、数々の絵本、挿画を手掛ける。2005年には児童文学賞の最高峰アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞、日本を代表する絵本作家として国内外で活躍。絵本『あさになったので まどをあけますよ』で2012年に第59回産経児童出版文化賞大賞を受賞。2010年と2012年に郷里の山形市で個展『荒井良二の山形じゃあにぃ』を開催。「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」芸術監督。

メインビジュアル

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題字
荒井良二(山形ビエンナーレ芸術監督)
アートワーク
「あっちの目、こっちの目」ミロコマチコ(画家・絵本作家)
衣装&スタイリング
「砂の女」飛田正浩(ファッションデザイナー/spoken words project主宰)
デザイン&アートディレクション
小板橋基希(グラフィックデザイナー/アカオニ代表)
撮影
志鎌康平(写真家/アカオニ)
プロデュース
宮本武典(東北芸術工科大学准教授)

参加アーティスト

アカオニ/アトツギ編集室/あふりらんぽ/荒井良二/いしいしんじ/石巻工房/市プロジェクト/稲葉まり/岩井天志/大槌秀樹/大橋文男/大原大次郎/華雪/川村亘平斎/岸野雄一/熊谷和徳/坂本大三郎/佐藤慎太郎/スガノサカエ/鈴木ヒラク/spoken words project/ソケリッサ!/滞空時間/田中望/寺尾紗穂/東北画は可能か?/トゥルーリ・オカモチェク/ナカムラクニオ/中山晴奈/野村誠/久松知子/ひじおりの灯/平澤まりこ/WHITELIGHT/三瀬夏之介/みちのおくつくるラボ/水野健一郎/ミロコマチコ/村井純平/森岡督行/やまがた藝術学舎スタジオ/吉川倫平/吉増剛造/ラティール・シー/和合亮一

(五十音順/個人、団体名、プロジェクト名等を含みます/4月20日現在)

みちのおくつくるラボ

アーティストと市民がともに学び・創造するコミュニティスクール「みちのおくつくるラボ」(H25-27文化庁大学を活用した文化芸術推進事業)を、2013年11月より開講しています。これまで3年間で実施した14のプログラムに206名が参加。活動の成果は山形ビエンナーレの市民プロジェクトとして地域社会に還元されていきます。
みちのおくつくるラボ3期(2015)

開催概要

会期
2016年9月3日[土]ー9月25日[日]
会場
山形県郷土館「文翔館」、とんがりビル、BOTA coffee & BOTA theater、山形県緑町庭園文化学習施設「洗心庵」、水の町屋「七日町御殿堰」緑地、丸八やたら漬旅籠町立呑処、ミサワクラス、観光文化交流センター「山形まなび館」、旧西村写真館、ギャラリー絵遊・蔵ダイマス、乃し梅本舗佐藤屋本店、やまがた藝術学舎、東北芸術工科大学 ※開館時間・休館日等は施設によって異なります。月曜休館の施設が多いのでご注意ください。
主催
東北芸術工科大学
後援
山形県、山形市、山形県教育委員会、山形市教育委員会
助成
平成28年度文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業(市プロジェクト)、公益財団法人福武財団、公益財団法人野村財団、公益財団法人朝日新聞文化財団、公益信託荘内銀行ふるさと創造基金
協賛
広告スポンサー:山形酸素株式会社、遠藤設備建設株式会社、株式会社旅館古窯、田宮印刷株式会社 広告協賛:株式会社ジョインセレモニー、うるしやまタクシー株式会社、PRUSIK HAIR & MAKE、株式会社本間利雄設計事務所、山形農業共同組合、絵本ちゃん、有限会社ツルヤ商店、黒澤建設工業株式会社、株式会社山形ビニール商会
協力
公益財団法人山形県生涯学習文化財団、株式会社山形新聞社、株式会社アカオニ、まなびあテラス、井上貴詞建築設計事務所、株式会社マルアール、株式会社 三越伊勢丹、日本コカ・コーラ株式会社、公益財団法人日本文化藝術財団、伊藤忠青山アートスクエア、乃し梅本舗佐藤屋、株式会社石巻工房、Fondation Enfance du Japon、ひじおりの灯実行委員会、株式会社丸八やたら漬、6次元、森岡書店、D&DEPARTMENT PROJECT、穂積繊維工業株式会社、TIMBER COURT、十三時、nitaki、OUTDOOR SHOP DECEMBER、halken LLP、七日町御殿堰開発株式会社、BOTA coffee & BOTA theater、佐藤繊維株式会社・GEA、米富繊維株式会社、アリエスブックス、DANCE SPACE、山形食べる通信、旧西村写真館保存活用の会、公益財団法人DNP文化振興財団、一般社団法人村山市余暇開発公社碁点温泉、山ベーグル & Coffee Stand、新庄市エコロジーガーデン、kitokitoMarche、有限会社タケダワイナリー、寒河江市、伝承野菜農家 森の家、工房ストロー、公益財団法人山形県埋蔵文化財センター、平塩熊野神社、中山町教育委員会、ヤマガッタ株式会社、イルコテキーノ、株式会社JTB東北法人営業山形支店 (順不同)
総合プロデューサー
根岸吉太郎
芸術監督
荒井良二
プログラムディレクター
宮本武典
キュレーター
岩井天志、ナカムラクニオ
公式デザイナー
小板橋基希、後藤ノブ、相田広源、井上貴詞
公式フォトグラファー
志鎌康平
事務局スタッフ
遠藤節子、加藤芳彦、谷川佳代子、伊藤迪子、土屋香奈、鈴木淑子、佐々木優衣
アシスタントキュレーター
平野拓也、是恒さくら、飯島広美
学生アシスタント
高木しず花、大竹弘子、木藤夏希、佐々木翼、髙橋周平、玉手りか、半澤青空、石沢優衣、遠藤百笑、木村優香、今野元、齊藤美咲、佐藤悠太、嶋﨑史帆、菅原葵、鈴木菜央、高野茉亜美、夏井星、増田ひなた、三澤創、目野真麻、鑓水眞愛、山代森、青木緑、鴨田幸奈(2016年7月現在)
みちのおくつくるラボ(3期受講生)
飯島広美、亀井道敬、黒田初美、今奈美絵、佐藤琴美、佐藤璃奈、瀬成田紋、高木しず花、髙橋アケミ、髙橋悦実、中嶋紀世生、五十嵐なな、嶋﨑史帆、小松大知、猪熊円、位部恵理、遠藤百笑、小田嶋優、菊地薫、木村聡美、戸田智子、仲澤亜希、成田杏子、林裕子、舩渡川葉月、矢作鹿乃子、山崎隆史、役野友美、大場智博、渋谷翔、下山普行、鈴木伸夫、高橋天央、廣瀬雪、船山薫、町田至、上坂明日香、遠藤節子、工藤春奈、児玉彩、佐川菜々絵、佐藤奈緒、佐藤裕治、神保雅人、菅原葵、鈴木那奈、高橋菜美子、髙橋里菜、原知哉、藤原麻未、渡部いづみ、清野由布子、佐藤亨、安達奈緒子、荒川由衣、庄司亮一、高橋かおる、高橋美香、玉手りか、半澤青空、古田和子、是恒さくら、梅原もも子、奥山心一朗、金森由紀、釜屋憲彦、佐藤裕吾、柴山修平、田中望、月本久美子、原田有佳子、堀賢一郎、松葉里江子、岩井巽