「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016」では、2013年から開講しているコミュニティスクール「みちのおくつくるラボ」に加え、2016年に「文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業」に採択された「市プロジェクト」をスタートさせます。 山形ビエンナーレの開催エリアにもなる山形市中心市街地は、「七日町」「十日町」など、かつて定期的に「市(いち)」がひらかれていた市日を町名として残し、戦後は百貨店が立ち並ぶなど物流・交換の拠点として賑わってきた場所です。 本プロジェクトでは、古くから〈市の街〉として栄えてきた中心市街地の文化資源を、観光客や市民が「鑑賞」するだけでなく、意欲的に「消費」するエリアとして再活性化していくことを目指し、かつてこの地域の結び目であった「市」を再興するとともに、その運営者を育成していきます。
[山の手仕事]
古くから〈市の街〉として栄えてきた山形市七日町界隈に、手仕事・農作物・アート・服・本の5つの市を立て、東北に根ざした活動をおこなうクリエイターや生産者を紹介する「市プロジェクト」。土曜日に文翔館の前庭に立つ「山姥市」では、有志市民が山のセンダツから学んだ技で、土産のルーツとしての山苞(ヤマヅト)を制作・販売。ものづくりのこれからを見据え、山の手仕事を伝承・交易させる場としての市庭(いちば)をひらく。
開催曜日=土曜 12:00〜16:00
会場=文翔館前庭
什器設計=井上貴詞
ディレクション=アトツギ編集室…天野典子、稲葉鮎子、成瀬正憲、吉田勝信による「アトツギ」をテーマに活動するリトルプレス。山形や東京など異なる拠点を持つメンバーがあつまり、2013年に設立。地域の食、手仕事、生業や暮らしの継承などを巡り、「聞き書き」をベースに本・展覧会・旅をつくっている。2013年『アトツギ手帳―庄内の食の継ぎ方』(アトツギ編集室)を出版。展示会に2012年「アトツギ展―山と里、庄内にまなぶ」(せたがや文化財団 生活工房)、2013年「アトツギ展―鶴岡の食の継ぎ方」(TSURUOKA FOOD EXPO 2013)。2013年より山を巡るフィールドワーク「森の晩餐」シリーズを展開する。http://atotsugi.me
[オリジナルウェア]
古くから〈市の街〉として栄えてきた山形市七日町界隈に、手仕事・農作物・アート・服・本の5つの市を立て、東北に根ざした活動をおこなうクリエイターや生産者を紹介する「市プロジェクト」。「山形衣市 iiti」は山形の服飾産業を県内外に発信するため、ブランド4社のコラボレーションでコレクションを制作・発表する。モチーフは安部公房の小説『砂の女』。山形ビエンナーレでの展示終了後に、コレクションの販売会も開催する。
開催日=会期中常設(9/5・9/20休館)9:00~16:30
会場=文翔館3F、他
協力=佐藤繊維株式会社、米富繊維株式会社、OUTDOOR SHOP DECEMBER
展示会=「山形衣市iiti〈砂の女〉コレクション展示会」
9/30[金]・10/1[土]・10/2[日](11:00~20:00/とんがりビル1F「KUGURU」)
10/1[土] 14:00 - 16:30
アーティストトーク(「市プロジェクト」セミナー)
飛田正浩(spoken words project)×森岡督行(森岡書店)×宮本武典(キュレーター)
ディレクション=飛田正浩…(とびた・まさひろ)ファッションデザイナー。多摩美術大学染織デザイン科在学中より様々な表現活動を「spoken words project」として行う。卒業を機に「spoken words project」をファッションブランドに改め、1998年東京コレクションに初参加。手作業を活かした染めやプリントを施した服づくりに定評があり、最近ではアーティストのライブ衣装や舞台美術、テキスタイルデザインも手掛け、ファッションの領域を超えて活動中。http://spokenwordsproject.com
[アート・クラフト・パフォーマンス]
古くから〈市の街〉として栄えてきた山形市七日町界隈に、手仕事・農作物・アート・服・本の5つの市を立て、東北に根ざした活動をおこなうクリエイターや生産者を紹介する「市プロジェクト」。日曜日は、中山間地の廃校や、セルフリノベーションした元旅館などを拠点に活動するアーティストが集結し、七日町御殿堰の緑地に仮設の「芸術界隈(げいじゅつかいわい)」を出現させる。山形在住の気鋭アーティストから絵画や陶器の作品が直接買えるアートの市。
開催曜日=日曜 10:00~17:00
会場=七日町御殿堰緑地
協力=halken LLP、ミサワクラス、工房森の月かげ、KUGURU
什器設計=井上貴詞
ディレクション=三瀬夏之介…(みせ・なつのすけ)。日本画家。1973年奈良県生まれ。東北芸術工科大学教授。2009年VOCA賞受賞。作品は和紙と墨、金箔など日本画の素材を用いて大画面を構成し、伝統的な素材を用いつつも、現代性をもった大きなイメージとなっている。現在は東北地域における美術のあり方を問うプロジェクトを展開している。主な展覧会は、「MOTアニュアル2006 No Border「日本画」から/「日本画」へ」(2006・東京都現代美術館)、「Kami. Silence – Action 」(2009・ドレスデン州立美術館)他。
[野菜・果物・加工食品]
古くから〈市の街〉として栄えてきた山形市七日町界隈に、手仕事・農作物・アート・服・本の5つの市を立て、東北に根ざした活動をおこなうクリエイターや生産者を紹介する「市プロジェクト」。土曜日に立つ「ふうどの市」では毎週1名のゲスト農家を招き、昼は旬の伝統野菜や果物を販売。隣では地元の料理人がゲストの食材を使ってフードを提供する。また、夜は農家との交流イベントを開催。「見る・食べる・対話する」を通じて「作る人と食べる人の幸せなつながり」を提案する。
夜の交流イベントへのお申込みは山形食べる通信ホームページ(http://taberu.me/yamagata)より。
開催曜日=土曜 11:00〜15:00
会場=七日町御殿堰緑地
協力=山形食べる通信編集部、アル・ケッチァーノ、umui、おさけマルシェ とうかい
什器設計=井上貴詞
ディレクション:松本典子……(まつもと・のりこ)『山形食べる通信』編集長。1983年山形県鶴岡市生まれ、埼玉県育ち。山形県の伝統野菜の生産者を追ったドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」の監督・渡辺智史と結婚し、母の故郷である鶴岡市へとIターン。「山形の文化を未来の世代に残したい」と2015年、子育てをしながら地元のクリエイターたちと『山形食べる通信』を立ち上げる。http://taberu.me/yamagata/
[本・雑貨]
古くから〈市の街〉として栄えてきた山形市七日町界隈に、手仕事・農作物・アート・服・本の5つの市を立て、東北に根ざした活動をおこなうクリエイターや生産者を紹介する「市プロジェクト」。県立図書館を併設する遊学館では、朝から夜まで1日ロビーを借り切り「山形×本」を心ゆくまで楽しむ本のフェス「ブックトープフェス」を開催。本のマルシェやゲストによる多彩なワークショップ&トークで、街と人をつなぐ本の可能性を探る。
開催日=9月10日[土]11:00~21:00
会場=遊学館
協力=森岡督行、空閑理、粕川ゆき
什器設計=井上貴詞
◎ブックトープトーク(「市プロジェクト」セミナー)
日時:9月10日[土]19:00〜20:30
会場:山形県立図書館(遊学館内)
講師:森岡督行、空閑理、粕川ゆき、ナカムラクニオ
日時:9月11日[日]18:00〜20:00
会場:Bota theater(Bota coffee 2F)
講師:竹内昌義、ナカムラクニオ
ディレクション=ナカムラクニオ…映像ディレクター。「6次元」店主。1971年東京生まれ。荻窪のブックカフェ「6次元」店主。映像ディレクター。全国で実験的な読書会や小説のワークショップなど本にまつわるイベントを企画・運営している。著書に『人が集まる「つなぎ場」のつくり方~都市型茶室「6次元」の発想とは』(CCCメディアハウス)、『さんぽで感じる村上春樹』(ダイヤモンド社)、『パラレルキャリア』(晶文社)などがある。http://www.6jigen.com