「土に還るもの、なーんだ?」「野菜!」「草!」「虫!」「人間は?」
地球に生きているという感受性を育むことを保育目標に掲げる、やまのこ保育園の日常には、こんな子どもたちとの対話があります。
今日食べた野菜の皮をミミズが食べ、堆肥になる。火をおこし、ごはんを炊く。煙が立ちのぼり、髪の先まで炎の薫り。そんな土の、虫の、草の、火のいのちと共にある暮らしが、子どもたちと共に重ねられていく。子どもから発せられる問いと試行錯誤に満ちた開園2年目の1年を追ったドキュメンタリー。
映像の初上映とトークを行います。ビエンナーレ芸術監督の稲葉俊郎と映像作家の茂木綾子、やまのこ保育園園長の遠藤綾を交え、これからの時代を生きていく子どもたちに大人である私たちにできることについて、みなさんと共に考えたいと思います。
1969年北海道生まれ。写真家、映画監督。東京藝術大学デザイン科中退。92年キャノン写真新世紀荒木賞受賞。97年よりミュンヘン、06年よりスイスのラコルビエールにて、多彩なアーティストを招待し生活、製作、交流を実験的に行うプロジェクトを企画実施。09年淡路島へ移住し、アーティストコミュニティ「ノマド村」をヴェルナー・ペンツェルと共に立ち上げ、様々な活動を展開。写真集『travelling tree』(赤々舎)、映画『島の色 静かな声』(silent voice/2008)、『幸福は日々の中に。』(silent voice/2015)、『zen for nothing』(werner penzel film production/2015)など。
1980年生まれ。2005-07年九州大学で子どもの居場所づくりの研究に携わる。2009-2013年 P3 art & environment、2013-16年 NPO法人SOS子どもの村JAPANに勤務。2008年から自主活動として、主に子ども領域で書く仕事、つくる仕事に携わりながら、子どもに関わる人たちのインタビューサイト「こどものカタチ」を運営。インタビューサイトをきっかけに山形県鶴岡市にあるスタートアップ企業に出会い、2016年に家族で移住。2017年やまのこ保育園home、2018年やまのこ保育園を立ち上げ、現職。
医師、医学博士。1979年熊本生まれ。2004年東京大学医学部医学科卒業、東京大学医学部付属病院循環器内科助教(2014-2020年)を経て、2020年4月より軽井沢病院総合診療科医長、信州大学社会基盤研究所特任准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、東北芸術工科大学客員教授を兼任(山形ビエンナーレ2020 芸術監督 就任)。心臓を専門とし、在宅医療、山岳医療にも従事。西洋医学だけではなく伝統医療、補完代替医療、民間医療も広く修める。未来の医療と社会の創発のため、あらゆる分野との接点を探る対話を積極的に行っている。
〈書籍(単著)〉「いのちを呼びさますもの」アノニマ・スタジオ(2017年)、「ころころするからだ」春秋社(2018年)、「からだとこころの健康学」NHK出版(2019年)、「いのちは のちの いのちへ」アノニマ・スタジオ(2020年)
〈書籍(共著)〉大友良英×稲葉俊郎「見えないものに、耳をすます ―音楽と医療の対話」アノニマ・スタジオ(2017年) など。
webサイト:https://www.toshiroinaba.com/