Q1プロジェクトの第4回クリエイティブ会議を山形ビエンナーレで配信します。
クリエイティブ会議とは、Q1プロジェクトで展開していく事業の可能性について、クリエーター/アーティスト、企業と共に考えていくレクチャーシリーズです。
Q1プロジェクトが目指すのは、クリエイティブと産業を暮らしで結び、それを山形の持続可能な社会へ還元すること。クリエイティブ会議ではその具体的な方法論を公開型で話し合います。
「TURN(ターン)とプロジェクトFUKUSHIMA! に見る、多様な〈個〉の出会い」と題して、TURNプロジェクトディレクターを務める公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京事業推進室事業調整課長森司さんと、TURNフェスにもアーティストとして参加し、プロジェクトFUKUSHIMA!で福島大風呂敷など美術部門のディレクションをしている中﨑透さんをゲストに招いてダイバーシティやシビックプライドを軸に議論を交わします。
TURNは障がいの有無、世代、性、国籍、住環境といった属性や背景の違いを乗り越えて、多様な人々との出会いによる相互作用を表現として生み出すプロジェクトです。アートを作ることを目的にするのではなく、一人ひとりが「その人らしく」生きることを尊重し、日本における新しいダイバーシティの実践の場を発信するプロジェクトです。またプロジェクトFUKUSHIMA!は原子力発電所事故で不名誉な地として世界に知られたFUKUSHIMAをポジティブな言葉に変えていくこと、自身たちの故郷を取り戻すことをテーマとし、シビックプライドを軸に詩人や音楽家やアーティストによって誕生した活動です。
山形市にも、多様な「個」の交流の場を築くにはどの様な施策が必要か、また郷土愛から起こる大きな力によって、地域を活性化することは可能かを探ります。山形第一小学校旧校舎が今後、街を創造性と人とで繋ぐ場になることができれば、ここ山形は新しい街形成のモデルケースを作れるのではないでしょうか?
コミュニティーの力で何か新しいことを起こしたい方、人と人の繋がりが生み出す何かに可能性があると感じている方に是非聞いて欲しいクリエイティブ会議です。
※Q1プロジェクトとは
第一小学校旧校舎を創造都市やまがたの拠点として再整備するための活用実験プロジェクトです。
山形市は、ユネスコ創造都市ネットワーク加盟(2017年)を機に、地域に蓄積されてきた世界に誇るべきクリエイティブのチカラを産業振興に活かし、地域の未来に繋げていく「創造都市推進事業」を進めています。そのひとつ、山形市立第一小学校旧校舎(=旧一小)を創造都市やまがたの拠点として再整備する事業は〈 活用実験 → 調整工事 → 本格始動 〉という3段階のロードマップで計画されており、2019年度からはその第1弾である活用実験プロジェクト「Q1(キューイチ)プロジェクト」が始動しました。
「Q1(キューイチ)プロジェクト」では、「創造都市やまがたの拠点はどうあるべきか?」 を問いかけます。まちに眠るクリエイティブを棚卸しつつ、再編集しつつ、地域の産業との化学反応を試す実験場。あるいは、やまがたのクリエイティブに身近に触れることのできる文化施設。 あるいは、若く優秀なクリエイターたちがいきいきと価値創造に没頭するワークスペース。あるいは、地域の企業が新たなチャレンジにトライするテストマーケティングの現場。あるいは、地域の産業とクリエイティブとが出会い、イノベーションを誘発するプラットフォーム。あるいはその全てを融合したものとなるのかもしれません。その輪郭を導きだします。
※TURN(ターン)とは
アーツカウンシル東京は東京の芸術文化の創造・発信を推進するアーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)です。その中のプロジェクト「TURN(ターン)」は異なる背景を持った人々が関わり合い、様々な「個」の出会いと表現を生み出すアートプログラムです。造形及び身体表現、多様性に関する対話を含めた複合的な内容を盛り込み、福祉的な支援を必要とする人たちを含む一般市民が参加できるプログラム「TURNフェス」等を実施しています。
※プロジェクトFUKUSHIMA!とは
2011年3月11日、東日本を襲った大震災と、それによって引き起こされた東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、福島は地震と津波の被害に加え、放射能汚染という未曾有の事態に見舞われました。その福島出身/在住の音楽家と詩人を代表とし、集まった福島県内外の有志によって、「プロジェクトFUKUSHIMA!」は立ち上げられました。それから毎年、8月15日という日本人にとって特別な意味のある日に、福島でフェスティバルを開催しています。
アーツカウンシル東京 事業推進室事業調整課長。東京アートポイント計画 ディレクター。1960年愛知県生まれ。水戸芸術館現代美術センター学芸員を経て、東京アートポイント計画の立ち上げから関わる。ディレクターとしてNPO等と協働したアートプロジェクトの企画運営、人材育成プログラムを手がける。東京アートポイント計画のほかにも複数のアートプロジェクト事業の統括を務め、Tokyo Art Research Labディレクター、Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)ディレクター、リーディングプロジェクト(「TURN」「東京キャラバン」)ディレクターも務める。
-森司「ディレクター日記」連載中-
アーツカウンシル東京ウェブサイト「東京アートポイント計画通信」
https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/blog/category/artpoint/
東京アートポイント計画noteマガジンhttps://note.tokyoartpoint.jp/m/m7eaf58820e73
1976年茨城生まれ。美術家。武蔵野美術大学大学院造形研究科博士後期課程満期単位取得退学。現在、茨城県水戸市を拠点に活動。看板をモチーフとした作品をはじめ、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、形式を特定せず制作を展開している。展覧会多数。2006年末より「Nadegata Instant Party」を結成し、ユニットとしても活動。2007年末より「遊戯室(中﨑透+遠藤水城)」を設立し、運営に携わる。2011年よりプロジェクトFUKUSHIMA!に参加、主に美術部門のディレクションを担当。