後関裕士

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10年の器・10年の菓子
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第三者を交えての授業。しかも菓子の世界で一流の佐藤屋九代目の慎太郎さんとのコラボレーションというのは、学生の時の自分にとって、とても刺激的だった。打ち合わせの段階から何か面白いことをしたい、という全員の思いがビシビシ伝わってきていたし、何よりもやりがいがあった。

自分はどうだったかというと、結局は誰よりも沢山の種類を作った。空回りしているものがほとんどだったと思うが、慎太郎さんが本気で菓子で応えてくれることによって自分のいる物をつくるという世界が一人では完結せず、誰かと二倍三倍と面白くすることができる世界だと体感することができた。そんな作品だが最近、SNSで当時自分が作った皿を慎太郎さんが今でも使ってくれているのに気づいた。

当然ながら作品は課題が終わった瞬間に消えてなくなるものではなく、使ってもらえているうちは、そのままの姿で活躍し続けている。それは10年前の自分に唐突に再開したような感覚だった。それを踏まえて、今回の作品はこの10年間、卒業後に自分が体験してきたこと、学んだことの蓄積が新たに加わったような作品だと感じる。技術や、作りの完成度とか、そういうことではなく、もっと本質的な物質に対する考え方が、少しでも成長できていたらと思うし、また10年後にはどんな物を作っているのか。今から楽しみで仕方がない。

  • 後関裕士

    1988年、千葉県生まれ。現在、茨城県在住。2013年、東北芸術工科大学芸術学部美術科工芸コース陶芸専攻を卒業。2013年、岡山県備前市にて備前焼重要無形文化財保持者 伊勢崎淳に師事。2017年、田部茶の湯の造形展入選。2017年約四年の弟子生活を経て千葉県にて独立。2018年茨城県常陸大宮市に工房を移す。2019年、同地にて半地下式穴窯を築窯、初窯を出す。以後、薪窯を中心とした制作活動をスタートさせる。主に焼〆を主軸にしつつ、緑釉、灰釉、粉引などを制作。

    展示歴として2017年アートスペースモルゲンロートにて個展。2018年アートサロン山木にて個展。2019年、アートスペースモルゲンロートにて後関裕士・菅原道朝二人展。2020年、アートスペースモルゲンロートにて後関裕士・田中裕子二人展。参加企画展として銀座一穂堂、跳ぶ鳥展(2019年、2020年)銀座一穂堂、備前展(2019年)東北芸術工科大学、 art link(2019年、2020年)他
    
Instagram:gosekihiroshi

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