長沼孝三

長沼孝三

ながぬま・こうぞう

1908 – 1993。山形県長井市十日町の呉服商・丸大扇屋に生まれる。1926年に東京美術学校彫刻科に入学し、高村光雲や北村西望ら教授陣より教えを受ける。同校を卒業した1931年、帝展に彫刻作品「インテリゲンチャ」が入選し、以後は帝展、文展、日展を中心に発表を重ね新進気鋭の彫刻家と評された。戦中には軍需生産美術推進隊の彫刻班として全国の炭鉱を巡り炭鉱夫の像を制作したほか、「東亜進軍」等の戦争彫刻を手掛けた。戦後は「愛の女神」をはじめ、平和を希求する母子像などを数多く制作。1963年より東京家政大学教授に就任し、教鞭を執りながら制作に打ち込み、晩年には郷土への思いを強くし、伝統芸能をモチーフにした「伊佐沢の念仏踊」シリーズを展開した。その制作は一貫して西洋の模倣から脱した日本的彫刻表現を希求するものであり、その柔らかく丸みを帯びた造形によって、自然と融和した日本人の在り方を示した。

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