朝——生まれ、目覚める

蔵王温泉エリアの第一会場である丸伝では、「朝——生まれ、目覚める」をキーワードに、マッサージ芸術家・池上恵一、作家・原田綾乃、美術家・山本桂輔の3人による展示を行います。
まず、1階で皆さまをお迎えするのは、池上恵一による歌人・斎藤茂吉の「手」をモチーフにした陶作品です。現在の山形県酒田市生まれの写真家・土門拳が斎藤茂吉を撮った肖像をベースに、リサーチを重ねて制作された作品は、視覚に加え、「触ること」を通して斎藤茂吉への接近を来場者にうながします。
2階に進むと、原田綾乃と山本桂輔の展示が行われています。木版画表現を主体とする原田は、「一枚の板木から掘り出され、分たれたものの隔たりを見つめる」ことを、空間全体を用いて展開します。山本は、「流れ」「変化」「重なり」をキーワードに、東北芸術工科大学から蔵王温泉まで約15キロを歩きながら描いたドローイングをはじめ、彫刻、作業机（的な彫刻）などを、部屋の窓から見える蔵王の風景とも呼応させるようにして展示します。
生まれ、目覚めた私（たち）は、「そこ」からの移動をはじめようとします。身の回りの環境を、丁寧に見つめ、ときに触り、全身で感じながら。

総合キュレーター：小金沢智（東北芸術工科大学専任講師）
「朝」についてのテキスト：稲葉俊郎（芸術監督／医師）
短歌・詩のデザイン：平野篤史（デザイナー／AFFORDANCE）
　
　
　
　
　
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2.朝——生まれ、目覚める