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「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」は、東北芸術工科大学が主催する、地域密着型の現代芸術祭です。美術大学が主催することから、「これからの東北を担う文化的リーダーの育成」をミッションに掲げて、2014年9月に第1回展を、西蔵王の大学キャンパスと山形市中心市街地を結んで開催いたしました。2016年に開催する第2回山形ビエンナーレは、荒井良二芸術監督のもと「山は語る」をキーワードに、9月3日から23日間にわたり、国の重要文化財・文翔館をはじめ、市内各所の歴史的建造物やリノベーション物件を主な会場に開催します。2014年同様、アーティストと市民による共同制作プログラムを軸に、アートだけではなく、文学、ファッション、食、音楽など多彩な体験型アートプログラムを、地域社会と大学が連携して展開してまいります。

ごあいさつ

この芸術祭は、アートやデザインを通じて 地域と関わってきた大学の使命です。

東北芸術工科大学学長
根岸吉太郎

東北芸術工科大学は、2014年に第1回「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」を開催しました。東日本大震災以降、「美術大学が、アートやデザインが、この社会に役立てることは何か?」を何度も問い直し、東北の地で本学だからこそできると考えたのは、アーティストと子どもたち、学生たち、そして地域の皆さんが一緒になってつくり出す「芸術祭」でした。
その結果、手探りでしたが素晴らしい形で実現することができました。その後も継続した「みちのおくつくるラボ」でも、創造的な活動の波紋が広がりを見せています。大学から地域へ投げかけるだけでなく、参加した皆さんのなかで生まれ育ったものが今度は大学へと投げかけられ、よい循環が生まれています。
今回のテーマは「山は語る」。芸術監督には、引き続き山形出身の絵本作家でアーティストの荒井良二さんをお迎えしました。荒井さんはここ瀧山のふもとで生まれ育ち、山野を駆け回った当時の記憶や足跡が、山中の岩々や道端の石ころにまで刻み込まれています。この土地に染み付いた息遣いが、私たちを「みちのおくの物語」へといざなってくれるのではないかと思います。
「みちの(お)く」にはまだまだ魅力的なものが溢れています。ここに暮らしながら触れることのなかった歴史や文化に、「山形ビエンナーレ」を通じ日常とは異なった光をあてることで、新たな風景を見ることができるかもしれません。市民の皆さんにも、なじみの土地でもう一度旅する楽しさを体感して欲しいのです。
そうした体験を通じて、「次は自分たちが加わるんだ」という気持ちを持っていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。何かクリエイティブな活動を日常に持ち込むという経験をきっかけとして、自分自身のアクションにつながっていく。あるいは、人とつながっていく。そうした文化的、芸術的活動が地域の皆さんに芽生え、この街の創造的活動のひとつとして育ってくれることを願っています。

芸術監督メッセージ

テーマは「山は語る」。 ぼくらの街や山にある物語や声に耳を澄まして。

荒井良二

アーティスト/絵本作家。1956年山形県生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業。1990年に処女作『MELODY』を発表以来、数々の絵本、挿画を手掛ける。1991年、『ユックリとジョジョに』世界的な絵本の新人賞、エズラ・ジャック・キーツ賞受賞。『ルフランルフラン』で日本絵本賞を、『たいようオルガン』でJBBY賞を、『あさになったので まどをあけますよ』で産経児童出版文化賞・大賞を受賞するほか、ボローニャ国際児童図書展特別賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞など受賞多数。2010年と2012年に郷里の山形市で個展「荒井良二の山形じゃあにぃ」を開催。

こんにちは。再び、荒井良二です。2年前、「みちの(お)く」へのアートの旅の入口をひらいた、第1回「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」。みんなから「〈ゆるさ〉が心地よかった」って感想をたくさんもらいました。山形はぼくの古里だから、とにかく来て楽しんでもらいたいっていう気持ちを軸に「ぼくらは山形・東北をこう感じているよ」と、間口を広くゆるめて表現したつもりです。
アーティストもお客さんも、この祭に気楽に参加したあと、日常にもどった時に、街の景色が違って見えたり、〈昔〉や〈これから〉について思いを巡らしたり… そんな気づきや変化が、この小さな芸術祭をとおして生まれたらいいなぁと思っています。
前回ぼく自身は、たくさんの「門」をつくって文翔館のあちこちに展示しました。みちのおくの入口ですね。そして最終日に、いしいしんじさんと「門をとじて、本をひらく」と題名で、絵と小説の即興制作をしました。だから今回は、ひらかれた〈本〉がキーイメージになっていて、書物にまつわる作品やプロジェクトが、街にたくさん登場します。
ふだん絵本をつくっているぼくとしては、やっぱりそこから「みちのおく/山形」を探っていくっていう方法しかなくって。絵本って、絵と文字だけじゃなくて、語りとか記憶とか、昔からの大事なものが詰まっている〈物語のふるさと〉なんですよね。絵や文字がなくたって、例えば語り部による口承に耳をすます人たちは、それぞれに、その人なりの絵や情景を頭の中で思い描いています。それだって、ぼくは「絵本的な体験」といいたいんです。
第2回山形ビエンナーレの開催テーマは「山は語る」です。本来ならば「山は語らず…」だけど、人やケモノの営みがあれば、そこにはきっと物語や肉声があるはず。山をひらいて、「みちのおく」の門をくぐった先で、はてさて、どんなストーリーが語られるのか。みなさんが主人公になって山形の物語を体験するんですよ。山形ビエンナーレの会場を歩いているうちに「あれ、この空間や体験自体が物語なのかな?」って感じてもらえるようなお祭。そして、その真ん中から子どもたちの声が響いてきたら嬉しいです。どうぞ楽しみに!

開催概要

名称
みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016
開催テーマ
「山は語る」
会期
2016年9月3日(土)〜9月25日(日)※開館時間・休館日等は施設による
主な展示会場
山形県郷土館「文翔館」旧県庁舎・議場ホール、山形県緑町庭園文化学習施設「洗心庵」、とんがりビル、観光文化交流センター「山形まなび館」、旧西村写真館、ギャラリー絵遊・蔵ダイマス、やまがた藝術学舎、東北芸術工科大学本館、森岡書店
主なイベント会場
山形県生涯学習センター「遊学館」、山形県立図書館、丸八やたら漬旅籠町立呑処、乃し梅本舗佐藤屋本店、クアハウス碁点旧大浴場、新庄市エコロジーガーデン「原蚕の杜」、カフェ6次元
主催
東北芸術工科大学
芸術監督
荒井良二
プログラムディレクター
宮本武典
キュレーター
岩井天志(シマウマ代表)、ナカムラクニオ(6次元店主)
公式デザイナー
小板橋基希(アカオニ代表)、後藤ノブ(アカオニ)、相田広源(TIMBER COURT代表)、井上貴詞(井上貴詞建築設計事務所代表)
公式フォトグラファー
志鎌康平(アカオニ)
アシスタントキュレーター
平野拓也、是恒さくら、飯島広美
後援
山形県、山形市、山形県教育委員会、山形市教育委員会
助成
平成28年度文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業(市プロジェクト)、公益財団法人福武財団、公益財団法人野村財団、公益財団法人朝日新聞文化財団
協力
公益財団法人山形県生涯学習文化財団、株式会社山形新聞社、株式会社アカオニ、株式会社マルアール、株式会社 三越伊勢丹、日本コカ・コーラ株式会社、伊藤忠青山アートスクエア、乃し梅本舗佐藤屋、株式会社石巻工房、Fondation Enfance du Japon、ひじおりの灯実行委員会、株式会社丸八やたら漬、カフェ6次元、森岡書店、D&DEPARTMENT PROJECT、穂積繊維工業株式会社、TIMBER COURT、十三時、nitaki、OUTDOOR SHOP DECEMBER、ハルケンLLP、旧西村写真館保存活用の会、公益財団法人DNP文化振興財団、一般社団法人村山市余暇開発公社碁点温泉、山ベーグル & Coffee Stand、新庄市エコロジーガーデン、kitokitoMarche

メインビジュアル

題字
荒井良二(山形ビエンナーレ芸術監督)
アートワーク
「あっちの目、こっちの目」ミロコマチコ(画家・絵本作家)
衣装&スタイリング
「砂の女」飛田正浩(ファッションデザイナー/spoken words project主宰)
デザイン&アートディレクション
小板橋基希(グラフィックデザイナー/アカオニ代表)
撮影
志鎌康平(写真家/アカオニ)
プロデュース
宮本武典(東北芸術工科大学准教授)

注目のコンテンツ

山形ビエンナーレ2016の見どころ

  • 次世代の感性を育むアートの祭
    “美術大学が主催する芸術祭”として、市民スクール「みちのおくつくるラボ」(2013〜2015)の開講をはじめ、芸術祭とリンクした市民×アーティストの共同制作プログラムを実施しています。
  • 芸術監督は荒井良二さん
    日本人ではじめてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞した荒井良二さん(山形市出身)が芸術監督。芸術祭全体がひとつの絵本のような、幅広い世代が楽しめるアート体験を提供します。
  • クリエイターの新拠点「とんがりビル」誕生
    メーン会場の国の重要文化財「文翔館」(旧山形県庁)に加え、七日町シネマ通の空きビルをリノベーションした「とんがりビル」が新たな見所に。山形にこだわったショップ・食堂・ギャラリーを展開。
  • 街と人をつなぐ〈本〉のプロジェクトを展開
    街のガイドを兼ねた短編小説集『ブックトープ山形』や、野生動物をテーマにミロコマチコさんが制作した山車絵本など、山形をじっくり取材した〈本×アート〉で、地域を読み解くたのしさを伝えます。
  • 山形のものづくり最前線に出会える〈市〉
    古くから〈市の街〉として栄えてきた山形市七日町界隈に、アート・服飾・手仕事・伝承野菜・本の5つのテーマで市庭を立て、東北に根ざした活動をおこなう若手クリエイターや生産者を紹介します。

アーティスト

アカオニ/アトツギ編集室/荒井良二/いしいしんじ/石巻工房/岩井天志/大槌秀樹/大橋文男/大原大次郎/華雪/川村亘平斎/熊谷和徳/坂本大三郎/スガノサカエ/鈴木ヒラク/spoken words project/ソケリッサ!/田中望/寺尾紗穂/トゥルーリ・オカモチェク/ナカムラクニオ/中山晴奈/野村誠/久松知子/ひじおりの灯/平澤まりこ/WHITELIGHT/ミロコマチコ/森岡督行/三瀬夏之介/吉川倫平/和合亮一

 

(33組/五十音順/4月20日現在)

みちのおくつくるラボ

アーティストと市民がともに学び・創造するコミュニティスクール「みちのおくつくるラボ」(H25-27文化庁大学を活用した文化芸術推進事業)を、2013年11月より開講しています。これまで3年間で実施した14のプログラムに206名が参加。活動の成果は山形ビエンナーレの市民プロジェクトとして地域社会に還元されていきます。

みちのおくつくるラボ3期(2015)

プロジェクト

 

  • 市プロジェクト
    かつて毎月7日に「市(いち)」が立ち、山海との交易がおこなわれていた市神の街・七日町(なぬかまち)界隈にクリエイターらによる民具・本・美術・種・服の5つの市を新たにひらくプロジェクト。
    ※平成28年度文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業
  • あっちの目、こっちの目
    森と生きる知恵を失った人間と、餌を求め街へ進出する獣たちとの共生は、困難な地域課題のひとつ。森と街の境でいま、実際に起こっている人と獣の物語を集め、絵本作家のミロコマチコさんが作品化。
    アーティスト:ミロコマチコ/特設サイト:http://mirocomachiko.tuad.ac.jp
  • ブックトープ山形
    実在のお店や名物店長が登場する短編小説の文庫本を片手に、街と本棚をめぐるまったく新しい読書体験。「みちのおくつくるラボ」3期のナカムラクニオクラスから生まれた、ブックツーリズムの実験。
    キュレーター:ナカムラクニオ
  • やまびこ
    岩井天志による企画プログラム。東北芸術工科大学キャンパスを会場に、音・アート・食・映像・造形教育など様々なジャンルのアーティストと共に、“学びと解放”を体験する2days !!
    キュレーター:岩井天志/アーティスト:熊谷和徳、鈴木ヒラク、WHITELIGHT、吉川倫平 他
    開催日・会場:東北芸術工科大学こども劇場・水上能舞台 他(9/3土、9/4日)
  • 荒井良二の絵本の学校
    「きみは絵本みたいに、きみが主人公の物語を生きている」— 山形ビエンナーレ芸術監督の荒井良二が、山形県の高校生とともに一冊の絵本をつくっていくプロジェクト。山形新聞社との共同事業。
    アーティスト:荒井良二/企画パートナー:株式会社山形新聞社広告局
  • キッズアートキャンプ山形2016
    影絵師の川村亘平斎が、15組の母子と山形の奇譚を影絵芝居にする公開制作プログラム。昨年上演した「ヘビワヘビワー福島県南相馬小高区の大蛇伝より」に続く、南東北影絵芝居三部作の第2幕。
    アーティスト:川村亘平斎/企画パートナー:東北芸術工科大学こども芸術大学
  • 荒井良二と野村誠の山形じゃあにぃ2016
    絵本作家の荒井良二と音楽家の野村誠が、メーン会場の文翔館を飛び出して出張ライブに伺います。使われなくなった旧温泉浴場や、明治時代につくられた旧養蚕試験場で繰りひろげられる、筋書きなしの即興ライブ。
    アーティスト:荒井良二、野村誠/開催日・会場:クアハウス碁点旧大浴場(9/17土)、文翔館議場ホール(9/18日)、新庄市エコロジーガーデン「原蚕の杜」(9/19月祝)
  • うしろ耳で聞こえてくる声
    生まれ育った山形を離れ、東京で暮らす人々が、荻窪のカフェ6次元に集い、故郷への想いや距離感をアーティスト大橋文男と表現していく共同制作プログラム。〈東京の山形の声〉を届ける試み。
    アーティスト:大橋文男/企画パートナー:ナカムラクニオ(6次元)
  • YAMAGATA TRAVEL BUREAU 2016
    イラストレーターの平澤まりこが、山形でつくった2冊の〈旅の本〉を携えて、森岡書店の森岡督行や、山伏の坂本大三郎らと、山形のものづくりの風景や聖地を訪ねるバスの旅をプロデュース。
    アーティスト:平澤まりこ/企画パートナー:森岡督行(森岡書店)、坂本大三郎(十三時)他
  • みちのおくノート
    山形ビエンナーレ2014「山はひらく」のドキュメントブック。「みちのおくつくるラボ」で出会った13名の市民が共同編集した、物語集のような家族のアルバムのようなアートの本。デザイナー:小板橋基希 ※山形ビエンナーレ2016会場で販売予定
  • やまがたコミュニティデザインプロジェクト「つまむ会議」
    旧山形県知事公舎・公館(現やまがた藝術学舎)の利活用について、地域住民と学生が一緒に考えていく「つまむ会議」。期間中 “やまがたを元気にする”をテーマとした展示や、会議から生まれたイベントを実施します。
    運営:やまがた市民と東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科