現代山形考
~藻が湖伝説~
大昔、山形盆地の真ん中には藻が湖という大きな湖があり、この湖の東に連なる奥羽山脈の麓を東根と呼び、対岸の寒河江には西根という地域がありました。寒河江は西村山地方一番の町として栄え、対岸の町と交易のために毎日多くの舟が湖を行き交っていました。西根の大木がある小高い丘は舟着き場となり、のちに船着観音堂と呼ばれました。その後、奈良時代の行基、平安時代の慈覚大師円仁による開削工事により水が流され肥沃な土地がここ山形盆地に現れたというお話です。1970年代に耕地や用水路の大規模な整備がおこなわれたことで、藻が湖があったであろう場所から古代人の住居跡が発掘されるに至り、その存在の有無をめぐって様々な論議がなされてきました。しかし、現在の山形盆地を巡ると、地名や信仰、民話や芸能といったものの中に水の記憶がそこかしこに刻まれています。山形が海の下だったヤマガタダイカイギュウの時代から、ポストコロナの未来までを夢想し、ありえたかもしれない世界を夢想するプロジェクト「現代山形考」が始まります。会場には歴史的文化財から現代アート作品までが所狭しと並びます。さぁ、水の記憶を巡る旅に出かけましょう。
担当キュレーター=三瀬夏之介
会場構成=貝沼泉実
デザイン=アイハラケンジ
会場=文翔館議場ホール、長門屋ひなた蔵・塗蔵、BOTA Theater、山形美術館、山形県立図書館(遊学館内)
令和4年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業
参加予定アーティスト
〈 文翔館議場ホール 〉
参加予定アーティスト=宮本晶朗(キュレーター)、阿部麻衣子(アシスタントキュレーター)、青野友哉(考古学者)、青野文昭(美術家)、青山夢(画家)、浅野友理子(画家)、井戸博章(彫刻家・保存修復家)、大山顕(写真家)、尾花賢一+石倉敏明(美術家+人類学者)、金子朋樹(日本画家)、狩野宏明(画家)、鹿野研究室(鹿野護・齋藤光佑)、菊地聡子(銀粘土作家)、菊池聡太朗(美術家)、菊地翼(映像作家)、来田広大+土田翔(美術家)、君島彩子(宗教学者・アーティスト)、現代風神雷神考(修復コレクティブ)、草彅裕(写真家)、ゲッコーパレード(演劇集団)、是恒さくら(美術家)、後藤拓朗(画家)、志村直愛(建築史家)、髙橋源吉(洋画家)、東北画は可能か?(コレクティブ)、東北大学五十嵐太郎研究室、長瀞想画、株式会社ニコン、西除闇(仏師)、濱定史+加藤建築、番場三雄(日本画家)、深井聡一郎(彫刻家)、歩火(移動式描画集団)、水野健一郎(アーティスト)+アンドスリー(映像チーム、花田真由子、先﨑大朗、アリマミユキ、千々松昂将)、三瀬夏之介(美術家)、ムカサリ絵馬、藻が湖新聞社(小金沢智、石原葉)、吉賀伸(彫刻家)
会場構成=貝沼泉実
デザイン=アイハラケンジ
〈 山形県立図書館 〉
参加予定アーティスト=岡崎裕美子(歌人)、ナオヤ(イラストレーター)
〈 BOTA theater 〉
参加予定アーティスト=朝日辿(美術家)、アメフラシ(コレクティブ)、菊地聡子(銀粘土作家)
〈 長門屋ひなた蔵・塗蔵 〉
参加予定アーティスト=浅野友理子(画家)、草彅裕(写真家)、内藤正敏(写真家)
〈 山形美術館 〉
参加予定アーティスト=東北画は可能か?(コレクティブ)、長瀞想画
キュレータープロフィール
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- 三瀬夏之介(Natsunosuke Mise)
- 1973年奈良県生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。修士。既存の日本画の枠にとらわれない、多様なモチーフや素材、時にはコラージュを施した作品の圧倒的な表現力が高い評価を得ている。トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞(2002)、五島記念文化財団 美術新人賞(2006)、第16回VOCA賞(2009)ほか、受賞多数。2013年 個展 N.E.blood 21 三瀬夏之介展 リアス・アーク美術館、日本の絵 三瀬夏之介展 平塚市美術館、2014年 特別展 三瀬夏之介-雨土(あめつち)の記展 浜松市秋野不矩美術館その他、シンポジウムやアーティストインレジデンスに参加するなど、精力的に活動の幅を広げている。