屋根のない美術館
山形駅前の「大手門通りすずらん商店街」は全国でも希少な耐火建築帯となっており、過去には「横のデパート」と呼称され物販街であったが、時代の変化とともに夜間営業の店舗が連なる飲食街へと変貌してきました。社会状況を反映する街の形態や、そこで営む商店街の人々との共同性に加え、固定概念にとらわれず場所や環境を受けとめ柔軟に表現できるアーティストが協働し新たな街の風景を創りだしていきます。フィールドワークをベースにピッアップされたアーティスト達は、ライブアートや参加型のデジタルアート、演劇、映像、ワークショップのほか、移動式の屋台ギャラリーによる作品展示など、商店街の灯りとともにさまざまな方法で街を表現します。光からはじまる人間の進化をポストコロナにおける街のあり方と交歓させ可視化に導くための実験的な試みとなります。場所や環境を受けとめ柔軟に表現できるアーティストによって大きく変容する街の情景を体感してください。いつもの街に2000本のロウソク絵画や100mのチョークアートが出現し、50人による集団演劇、そして参加することで作品が変化するデジタルアートなど、屋外ならではの壮大なアートを楽しめます。
担当キュレーター=青山ひろゆき
グラフィックデザイン=土澤潮
会場=大手門通りすずらん商店街
令和4年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業
参加予定アーティスト
増田尚紀(鋳物作家)、青野文昭(彫刻家)、吉田重信(現代美術家)、大脇理智(メディアアーティスト)、タノタイガ(美術家)、君平(美術家)、下小川毅志(ビデオペインティング)、来田広大(美術家)、藤原泰佑(画家)、ミシオ(美術家)、吉村尚子(美術家)、青木みのり(画家)、屋代敏博(チームエンギニア主宰・本学准教授)、土田 翔(絵描き)、関本欣哉(Gallery TURNAROUND 代表)、中村桂子(KODAMA PRESS主宰/本学版画コース教員)、結城泰介(KODAMA PRESS主宰/本学版画コース教員)
キュレータープロフィール
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- 青山ひろゆき(Hiroyuki Aoyama)
- 1977年、福島県生まれ。山形市在住。2001年東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科修士課程修了。
絵画制作を主体にインスタレーションなど多様な表現による作品を国内外の美術館やギャラリー、アートフェアなどで発表をしています。また、ワークショップやアートイベントの企画運営、ライブアートプランナー、企業コラボなど美術というジャンルを横断的にとらえた活動もしています。主な発表歴は、第4回夢広場はるひビエンナーレ 奨励賞(2002)、第10回青木繁記念大賞展 優秀賞(2005)、「生まれるイメージ」山形美術館(2005)、「ゆらめく日常アートの交差点」郡山市立美術館(2009)のほか、個展では、いわき市立美術館、清須市はるひ美術館、喜多方市立美術館、GALERY IDF 、YUNG ART TAIPEI(台湾)、ART BEIJING(中国)、西武池袋本店、仙台三越、靖山画廊、アートフェア東京などがあります。