まちのおくゆき
多様性の受容・調和などをテーマに、障害のある人や、さまざまな理由で生きづらさを抱える人などを含む、あらゆる市民がダンスパフォーマンスをはじめとした様々な協働を展開。多様性を受容しながら一人ひとりの「ゆたかさ」「しあわせ」に向き合う活動である「福祉」の現場とアートをつなぎ、異なる身体や感覚を持つ人々同士が他者について想像する活動を重ねていくプロジェクトを進めます。コロナ禍により様々な物事がその更新を余儀なくされ、人々が「生きづらさ」を感じている中で、山形ビエンナーレ全体のテーマでもある「いのち」に思いを馳せながら、それぞれの存在のあり方、一様でない多様な人たちとの関わり合いを大切にし、お互いの存在に眼差しを向けながら人と人との関係のあり方を模索していきます。またその中で生じる困難さも受け入れ乗り越えていくことを通して、共に影響し合うクリエイションを実践。芸術祭期間中、アートの体験/鑑賞といった枠組みを超えた、アーティストと鑑賞者すべてが混ざり合い創造する場が山形で展開されます。(やまがたアートサポートセンターら・ら・らとの共同企画)
「やまがたアートサポートセンターら・ら・ら」
多様性における理解を深め、新たな価値づくりを支援し、互いを尊重しあえる地域の包容力を高めるべく活動を進める事業体。2016年から山形県の事業として「やまがた障がい者芸術活動推進センター」を立ち上げ、山形県内の障がいのある人の芸術活動の普及支援に着手。2020年より障害者芸術文化活動普及支援事業「やまがたアートサポートセンターら・ら・ら」として、障がいのある方の芸術文化活動のさらなる充実のため「相談支援」「人材育成」「ネットワークづくり」「発表機会の創出」「調査発掘・発信」に取り組んでいる。
担当キュレーター=アイハラケンジ
企画協力=やまがたアートサポートセンターら・ら・ら
タイトルグラフィック=吉田勝信、瀬尾明代、菊地将晃
会場=やまがたクリエイティブシティセンターQ1、ぎゃらりーら・ら・ら
令和4年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業
参加予定アーティスト
砂連尾理(振付家/ダンサー)、加藤由美(舞踊家/舞踊振付家)、兼子京子(ダンサー:心体表現)、菊地将晃(ダンサー)、「まちのおくゆき ─からだのひろがりダンスワークショップ」市民参加者、武田和恵(福祉とアートのコーディネーター)、岩中可南子(アートコーディネーター/編集者)、福原悠介(映像作家)、さえ(分身ロボットOriHimeパイロット)、伊藤亜紗(美学者/東京工業大学教授)、吉田勝信(デザイナー)、瀬尾夏美(アーティスト)、滝口克典(研究者:市民社会論)、イシザワエリ(アートワークショップデザイナー/東北芸術工科大学専任講師)、視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ(ワークショップ企画・運営)、ほか
キュレータープロフィール
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- アイハラケンジ(Kenji Aihara)
- 1974年東京都生まれ、仙台市育ち。東北芸術工科大学卒業、同大学院修了。主な活動領域はデザインとその周辺。株式会社コンセント取締役を経て株式会社アイケン代表。halken LLP(ハルケン)共同主宰、inukkuma! LLP(イヌックマ)共同主宰、株式会社Q1取締役。コマーシャルギャラリー「famAA」(ファマ)共同オーナー。武蔵野美術大学(2000~2010年)、専修大学(2006~2009年)等の非常勤講師も歴任。2014年より東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科准教授。障害のある人の芸術活動の普及支援活動として、厚生労働省「障害者の芸術活動支援モデル事業」への参画をきっかけに、2014年より障害者の芸術活動の調査・発掘、展覧会キュレーション、アートディレクション、デザインなどトータルに支援している。山形ビエンナーレには、2014年・2016年に「スガノサカエ図画展」キュレーション、2018年に「現代山形考」展示・構成デザイン、2020年に「まちとひと」プログラムキュレーション、「現代山形考」アートディレクション・デザイン等で参加。